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7時55分 病院3階
もう間に合わねぇし、学校いいや。
俺は3階の受付(?)の人に話し掛ける。
「あの。」
「あ、はい。どうされました?」
「鈴ノ崎紗月さんの病室は何処ですか?」
「鈴ノ崎さんの病室はそこの角を右に曲がって手前から3番目の部屋です。」
…たまたまか?
「あ…ありがとうございます。」
そうして俺は言われた場所へ向かう。
7時58分 紗月病室
トントン
「どうぞ。」
昨日ぶりなのに懐かしい感じがする声だ。
「よ…よう。」
そこには見える範囲で両手と首に包帯を巻いた紗月がいた。
そして紗月は一瞬驚いた顔をしたが、すぐに顔を逸らしてきた。
「どうして来たの?」
「紗月が心配だったか_」
「嘘!」
俺は一瞬ビクッとする。
「貴方にとって私は死んでもいい存在なんでしょ?」
「違うんだ紗月…」
「だってあの時…殺せよって…」
「違うんだ紗月!」
「私は貴方が好きだった!でも、貴方は私の事を死んでもいい存在としか思ってなかった…」
違う。
「…帰って。」
「紗月…」
「帰ってよぉ!」
涙声で紗月が叫んだ。
「…分かった。」
俺は踵を返す。
「…ごめんねぇ…。」
小さいが確実に聞こえる声で紗月が言った。
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