鈴ノ崎紗月の憂鬱

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そういえば、昨日の夜から何も食べていない。 それに、電話も見ていない。 俺はケータイを開く。 不在着信 16件 マジかよ… 3通は紗月の母、4通は俺の母、9通は舞ちゃんからだった。 どれも殺意が込められていそうだ。 俺はケータイを閉じて地下1階のレストランに向かう。 午前8時 レストラン 「イラッシャイマセェ~。」 外人さんか。 「オヒトリデスカ?」 「あ、はい。」 「コチラヘドウゾ~。」 俺は外人さんに案内された席に座った。 「ゴユックリドウゾ~。」 俺はメニューに目を通す。 オムライスセット オムライス サラダ食べ放題 ジュース飲み放題 950円 マジかよ… 「すみませーん。」 「あいよー、どうした?」 日本の短髪女性だ。 「えーと、オムライスセット1つ。」 「あー、それね。どうせアンタも食べ放題飲み放題に釣られたんだろ?ま、いいけど。」 「え…これ何かあるんですか?」 「無かったらこんなこと言わねぇだろ。」 「え、じゃあ_」 「オムライスセット1つ入りまーす!」 先手を取られた。 「ち…ちょっと_」 「どうぞごゆっくり~」 人を馬鹿にするような笑顔で笑っている。 マジかよ…
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