鈴ノ崎紗月の憂鬱

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~時を戻す事30分~ 目の前で谷澤_じゃなくて花澤先輩が紗月に触れようとしていた。 「ちょっと待ってください。」 花澤先輩はフッと笑う。 「…それでいいのですよ。」 途端、花澤先輩の口から一筋の鮮血が流れた。 「谷澤先輩!?」 紗月が言う。 「鈴ノ崎さん。私は昨日の夜から花澤になりました。」 「あ、え…すいません。」 「いえ、いいのです。貴方は知らなかったのですから。」 「それより、血が…」 紗月が心配そうな目で花澤先輩を見ている。 手が動かせたら直ちに行動を起こしていただろう。 「私は大丈夫です。リハビリはきついですが…頑張ってくださいね。…では。」 そう言って花澤先輩は病室を出て行った。 病室の外から ゲホッゲホッ… 大丈夫ですか!? というやり取りが聞こえてくる。 「花澤先輩…大丈夫かなぁ。」 「…大丈夫だろ。」 「…何を根拠に言ってるの?」 「いや…あの人は凄い人だから。」 「…そうだね。」 キャー!血を吐いてますよ!? 「…大丈夫かなぁ。」 不思議な人である。 それより、本当に体に負担があるようだ。 これからはできるだけ力を使わずに行きたいな。
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