①‐14

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「俺さ、紗奈に無理させてたなぁって。紗奈の強さとか優しさに甘えてたんだなぁって気付いたんだよ」 「えっと……どういうことですか?」 先生は誰も近くにいないことを確認してから、私の頭を撫でてくれる。 「ホントはもっと出かけたかっただろ?それなのにずっと我慢してたんだろ? 俺は紗奈がいい子すぎて、その気持ちを汲んでやることができなかったんだ」 「せんせ……」 「ごめんな。だからこれからは、もっと一緒にいよう。 それから、もっとわがまま言っていいから」 座ったままの私のおでこに、先生はしゃがんでキスをしてくれる。 嬉しいけど、ここ中庭だよ……。 でも、わがまま言っていいって今言ってたよね?
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