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急いでご飯を食べて戻ると、集合時間ぴったりだった。 先生の車に乗り込む時、助手席に行こうとしたら亮太くんがさりげなく席をキープした。 むっ、やっぱりただの意地悪な人かも。 「なんでお前が隣に来るの?」 「先生とゆっくりお話ししたくてね」 あっそ、と不機嫌に言う先生の声がちょっと嬉しい。 先生も私が助手席に座った方が嬉しいってことだよね? 「顔……にやけてる」 「ふぇ?!」 隣に座った澤田くんに注意されて、私は慌てて顔を引き締める。 ……先生がさっき真由ちゃんと一緒にいたのは何か事情があるんだ。 運転する後ろ姿を眺めながら、私は自分に言い聞かせていた。
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