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開けた高台のその場所は、少し見覚えがあった。 あのベンチとか、この看板とか見たことあるし。 「な?やっぱいい場所だっただろ」 みんなに聞こえないように少し小さめの声で先生が話しかけてきた。 「あ、やっぱり。この前来た場所ですよね」 そこは、まだ春休みだった時に先生がドライブに連れて行ってくれた場所だった。 それにしても昼間と夜だとずいぶん雰囲気が違う。 夜空には北斗七星が存在感を示し、そのカーブから延びる曲線はスピカを結んでいる。 「ほら紗奈、お玉」 「もう!そのネタ引きずり過ぎ!!」 .
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