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「ホントに?」 その日まで耐えれば、先生とのことバラさないってこと? 「約束する。だから、日曜日は俺とデートしろ」 なんで、やだ、なんて言葉を言わせないほどの威圧感。 やっぱりこの人、怖い人だ。 「日曜日の11時、君の寮の前に迎えに行くから」 彼はそれだけを言って、私の左手を開放した。 「あ、俺、よく歩くからヒールで来ないでね」 そんな言葉を言い残して道の先の闇に紛れる。 私はどうすべきなのか迷いながら、道を進む。 ……デートってただ出かけるだけだよね?きっと。 やっぱり私の中で、亮太くんは完全な悪者になれないでいた。
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