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「どこ行くんですか?」 「まあ、デートは男に任せてよ」 大人っぽい服装に、その余裕の表情はよく映える。 気付けば左手はしっかり握られたままでどこかへ歩き出していた。 駅に着いてもさっと2人分の切符を買ってくれるし、混雑した電車の中でもさりげなく私を守ってくれる。 ……すごく慣れてる。 私は外の風景を見ている彼の横顔をちらりと盗み見た。 ……顔はかっこいいもんね。 性格に問題ありだけど! 「なに?」 「いえ、別に」 「そう。次で降りるからね」 またいつの間にか私の左手は彼にしっかり繋がれていた。
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