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連れて来られたのは繁華街。 お洒落なお店がたくさん並んでキラキラしている。 キョロキョロする私を見た亮太くんは、クスリと笑った。 小さなカフェでランチを食べて、雑貨を見たり、服を見たり……少し疲れたらベンチに座ってクレープを食べたり。 ……すごく普通のデート。 亮太くんは理系だって言ってたけど、ジャンルに関わらず何でもよく知っていた。 話を広げるのが上手くて、自分が話し上手になったような錯覚を起こす。 こんな風に振る舞えるのも頭がいい証拠なんだと思う。 春の風でさらさらと髪が揺れる彼を斜め後ろから見ながら、私はそんなことを考えていた。
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