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「帰ろっか」
彼は黙り込んだ私の手を引いて、駅へと向かう。
「でも本屋さん……」
「いいよ、別に。何かが欲しかったわけじゃないんだ」
行きと同じように電車に乗り込むと、日曜日の余韻に浸りながらおしゃべりをしている何組ものカップルが目についた。
私は、亮太くんとデートしたいんじゃない。
本当は先生と一緒にいたいのに。
帰り道、一緒にこの電車に乗って、今日1日のことを話しながら暮れていく景色を眺められたら……
先生、私と亮太くんが一緒にいるところを見てどう思った?
……少しはヤキモチ妬いてくれた?
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