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「ん?なんだよ?今日の紗奈は甘えんぼだな」
大きな手が私の髪を乱す。
カチっとコーヒーメーカーのスイッチが入れられて、先生はやっと私の方を向いてくれた。
久しぶりに近くで目を合わせると、なんかすっごい恥ずかしい。
「え?ちょっと紗奈、なんで照れるのかわからんって」
笑いながらも優しく触れる唇に、私の頬はもっと熱くなる。
抱き寄せられると、ここがどこなのか、今が何時なのか、何もわからなくなる。
音も全部なくなって、速くなる鼓動が体中の力と思考力を奪って、私は先生に身を預けた。
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