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うえ?
私が訳もわからず上を向くと……
窓から先生が顔を出していて、目が合うと小さく手招きをした。
私は、少し残っていたココアを一気に飲み干して、缶を捨てたら走ってあの部屋に向かう。
ノックも忘れて薄暗い化学準備室に飛び込むと、風でヒラヒラと遮光カーテンが踊るだけで誰もいないみたいだった。
「あれ?さっきの幻?」
「んなわけあるかっ」
「きゃっ」
声と同時に後ろから大きな腕に包み込まれる。
「もうせんせ、驚かせないで下さいよ」
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