①‐7

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「じゃあ、いっき先生の苦手なものって知ってますか?」 「おっ、それ知りたい?それはね――」 ガラッ 「紗奈、ごめん。ちょっと急ぎの用事が……」 ドアがいきなり勢いよく開いたから、私は持っていたコーヒーをこぼしそうになる。 「あら樹くん」 「裕子……紗奈に何の話をしてたんだよ?」 「そんなの女子同士の秘密です!ね?紗奈ちゃん」 私はわざとらしく、大きくうなずいた。 楽しそうな裕子先生の隣に立つ、不機嫌そうな先生。 少しの間そうしていたけど、さっき「急ぎの用事が」って言ってなかったっけ?
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