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コンビニにたどり着いた私たちは、散々悩んでアイスを1つずつ手に取った。 行儀は良くないけど、それを食べながら帰り道を歩く。 住宅街の夜は静かで、遠くで鳴く犬の声と大通りの方から聞こえる救急車のサイレンが、一瞬だけその静けさを破っただけで、すぐにまた元の状態に戻った。 そんな中、1台の車が私たちの横を通り越して、少し先の外灯の下で止まった。 先生と同じ車だ、なんて気付くと勝手に親近感が湧いてしまうから不思議。 千尋とおしゃべりをしながら、少しずつその車の方に近づいて行くと助手席のドアが開いて人が降りてきた。 外灯でその人の顔が照らされると、私はその場に立ち止まった。
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