①‐7

19/19
前へ
/363ページ
次へ
千尋は何かを察して、それ以上質問してくることはなかった。 きっと私が何か考え込んだ表情をしていたからだろう。 溶け始めたアイスを急いで食べながら、私たちは言葉もあまり交わさずに寮まで帰った。 先生の急用って何だったんだろう。 先生と亮太くんはどこへ行ってたのだろう。 2人の関係って? 何の話をしたの? たくさんの疑問を抱えたまま、私はテディベアをぎゅっと抱きしめる。 先生からメール来ないかな、なんて淡い期待をしながら…… ……でもその日、携帯が鳴ることはなかった。
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2267人が本棚に入れています
本棚に追加