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先生は私を優しく起こして、おでこにキスをしてくれる。 「ほら、教室戻って」 うなずいて体を離すと、急に空気がひんやりしたように感じた。 準備室から教室に帰る途中、裕子先生とすれ違った。 「紗奈ちゃん、あいつの苦手なもののヒント。長細いものだよ!じゃあね」 「え?ちょっと、裕子せんせ―…」 ってもう行っちゃった。 長細い? 紐?なわけないし。 裕子先生、全然わからないよ……。 長細いものを色々考えながら教室に戻ったら、千尋に百面相だと笑われた。
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