2267人が本棚に入れています
本棚に追加
放課後、何となく図書室に寄って、本を読んでいたら日が暮れ始めていた。
片付けて帰ろうとしたら、図書室を出てすぐのところで亮太くんが歩いているのに気付く。
朝の少し元気がない表情を思い出して、躊躇いつつも声をかけた。
「こんにちは」
「あれ?今帰り?」
「図書室にいたので」
彼はふぅん、と言って少し黙ってから、急に私の方に向き直った。
「あ、そうだ。いっき先生に頼まれてたことがあるんだ。手伝ってくれない?」
「え?あ、はい。別にいいですけど」
下校の放送が流れていたのが気になったけど、大して疑いもせず、私は彼の後ろについて歩きだした。
最初のコメントを投稿しよう!