①‐8

11/20
前へ
/363ページ
次へ
音はドアからしたようだった。 「今の何の音ですか?」 「鍵が閉まる音だよ」 彼の言っている言葉の意味がわからない。 鍵の閉まる音? ここに閉じ込められたってこと? それなのに、こうなることを全部知ってたかのような表情。 「ど、どういうことですか?」 「警備員さんがね、この時間に鍵をかけるんだ。 紗奈は俺と2人でここに閉じ込められたわけ」 彼が私に1歩近づくと、私は1歩後ろに下がった。 ふと隣が準備室だったことを思い出して、そちらに面した壁を力一杯叩いてみる。 「無駄だよ。先生は今そこにいない」 .
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2267人が本棚に入れています
本棚に追加