①‐8

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部屋から出ると、もう校舎の中はかなり薄暗くなっていた。 「で?なんでここにいたの?」 表情を見なくてもわかる。 先生、怒ってる……。 「なんでって言われてもなぁ。若気の至りかな。 先生もわかるでしょ?」 「亮太、あのなぁ……」 飄々とした態度に先生もちょっと呆れている。 「じゃあ、ま、そういうことで。先生助けてくれてありがとうございました」 私は何か先生に言いたいのに言えなかった。 何を言っても、どう繕っても、言い訳のようにしか聞こえない気がして。
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