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トントン 「失礼します。ゆかりんせんせ?」 保健室の中はガランとしていた。 あれ?先生いないのかな? 「紗奈ちゃん?」 誰もいないと思ってたから、いきなり名前を呼ばれてびくっとしてしまう。 「その声……真由ちゃん?」 声がした方に近づくと、ベッドに真由ちゃんがいた。 暗いせいだけじゃなくて、顔色が少し悪い。 「ゆかりん先生、ちょっと用事があるからってさっき出て行ったよ。どうしたの?」 私より具合が悪そうな彼女に、どうしたの、なんて聞かれてどう答えていいのか迷う。 「ちょっと頭が痛かっただけなんだよ。真由ちゃんは大丈夫?」 .
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