①‐9

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「友達だよ」 そう言ったけど、本当は複雑な気持ちだった。 それを隠すための精一杯の笑顔で彼女を見ると、嬉しそうに笑うから、余計に罪悪感を感じる。 「嬉しい。友達って言ってくれて。 ……ねえ、相談してもいいかな?」 私はドキっとした。 だけど、それを悟られないように笑顔でうなずく。 「あのね……好きな人がいるんだけど、どうしたら仲良くなれるかわからなくて」 照れ笑いをする彼女はすごくかわいかった。 その想いはまっすぐで、今の私には少し痛くて眩しい。 好きな人って、いっき先生でしょ? って、そう聞いてしまいたかった。
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