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「失礼します」 入ってきたのはいっき先生だった。 なんで先生がここに……? 「宮田、具合はどうだ?ってあれ?お前までどうしたんだ?」 隠れたかったけど隠れる暇がなかった。 「えっと、ちょっと……」 そういう私に、先生は心配そうな顔をしたけど、やっぱり目はほとんど合わせてくれなかった。 いっぱい言いたいことがあるのに何も言葉にできない。 私たちの間には冷えた沈黙が流れる。 「いっきせんせ?」 その沈黙をベッドから聞こえる真由ちゃんの声が破った。 「悪いけど、ちょっとだけ外に出ててくれるか?」 .
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