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あれから本当に亮太くんは私に対して何も言ってこなくて、気が付けば今週末はもう合宿だ。 明日の朝にはここに集合して、そして日曜には、答えを出さないといけない。 その答えは……私の中でもう固まっていた。 『樹くんにとってね、自分が先生であることってすごく大事なの』 裕子先生がそう言ったからだけじゃない。 私もそう思うから。 まだ聞いたことはないけど、先生が先生になった理由はきっとすごく大事なものだと思うから。 それから、先生をしてる先生が好きだから。 そんな決意をしているのに、少し震える手でドアをノックした。 「失礼します」 .
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