①‐2

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トントン 理由のわからない不安を感じながら短いノックをする。 「はーい」 中から間延びした声が返って、私は真由ちゃんより1歩先に準備室に足を踏み入れた。 「失礼します」 「あ、紗奈。あのさ――」 真由ちゃんの存在に気付き遅れた先生は、一瞬だけフリーズする。 「先生、あの、課題を集めてきました」 「おお、宮田。ご苦労様」 真由ちゃんが緊張してるってこと、私にもわかる。 遠慮がちに差し出された紙の束を先生は受け取って、優しく笑った。
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