2267人が本棚に入れています
本棚に追加
/363ページ
「失礼しました」
廊下に出ると、真由ちゃんがふぅと息を吐き出す。
「あー緊張したー」
そう言って照れ笑いする顔を窓から春の陽が照らし、その時、私ははっきりと確信した。
真由ちゃんは先生が好きなんだ。
私もこの部屋からの帰り道、こんな顔してた?
きらきらして、少し頬を染めて……
「藍原さんはいいなぁー」
「え?なにが?」
「だって、先生に『紗奈』って呼ばれてたし」
.
最初のコメントを投稿しよう!