①‐2

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「悪い子じゃないよ」 そうとしか言えなかった。 小説を読み始めた真由ちゃんの後姿を横目で見つめる。 「……ねぇ、紗奈、放課後空いてる?」 「空いてるけど?」 いつも空いてないのは千尋の方なのにどういう意味? 私は意味が分からず彼女の返事を待つ。 「ふふふ……今日ね……」 「な、なに?!」 「部活休みなんだ!!」 千尋の大きい声が教室中に響き渡って、数人のクラスメイトが驚いてこっちを見ている。 当の千尋はまったく気にしてない様子でニコニコしながら私を見ていた。
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