①‐2

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授業が終わると、千尋は早く早くと私を急かせた。 急いだおかげで、目的のカフェにはまだ列ができていないみたい。 オープンテラスになっている席には春の風が優しく吹いて、テーブルに飾られた一輪挿しの花を揺らす。 運ばれてきたケーキを見て嬉しそうにする千尋を見てると、私まで嬉しくなる。 「で、紗奈、ホントはあの真由ちゃんどうだったの?」 「どうって言われてもなぁ」 フォークでケーキの上に乗っていたラズベリーを口へ運ぶと、思ったより酸っぱくて顔をしかめた。
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