2267人が本棚に入れています
本棚に追加
/363ページ
金曜日、放課後。
緊張しながら実験室のドアを開ける。
「あ、藍原さん、お、お疲れさま」
「こんにちは。今日は早いですね」
落ち着かないのは大島先輩も同じなようで、少し緊張した表情でドアを見つめている。
5月末までに新しい部員が入らないと廃部、という危機的状態の天文部は今日から活動開始。
まぁ、活動も何も新入部員を探すのが最優先事項だから、私は席に着くなり勧誘のポスター作りを再開した。
チラチラとドアを見ながらする作業は、あんまり進みが良くないが、この祈りがこもった視線を外すことはできない。
ガラッ
そんな2人の視線の中、ドアが大きく開かれた。
最初のコメントを投稿しよう!