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とりあえず方針は決まったから一旦解散ということで、大島先輩と澤田くんは戸締まりを始めた。
「元気出たみたいだね」
先生の手をすり抜けて、彼が私に話しかけてきた。
「あのときはありがとうございました…お礼言いそびれちゃって」
「いいんだよ、別に」
眼鏡越しの目が優しく微笑むから、私もつられて微笑む。
「私、藍原紗奈です。よろしくお願いします…えっと、永崎先輩」
うん、と彼はうなずいて、本当に突然、何の前触れもなく私の髪に触れた。
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