①‐2

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とりあえず方針は決まったから一旦解散ということで、大島先輩と澤田くんは戸締まりを始めた。 「元気出たみたいだね」 先生の手をすり抜けて、彼が私に話しかけてきた。 「あのときはありがとうございました…お礼言いそびれちゃって」 「いいんだよ、別に」 眼鏡越しの目が優しく微笑むから、私もつられて微笑む。 「私、藍原紗奈です。よろしくお願いします…えっと、永崎先輩」 うん、と彼はうなずいて、本当に突然、何の前触れもなく私の髪に触れた。
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