2267人が本棚に入れています
本棚に追加
/363ページ
夕食を食べて、少し早めに寮を出る。
8時までの少しの時間だけでも先生といたいから。
昼間の喧騒が嘘のように静かな校舎の中に、私の足音と、どこかの蛇口が緩んでいるのか、水が何かに当たる音がする。
……はっきり言って、怖い。
化学室の方は特に暗くて、私はちょっとかけ足で準備室に滑り込んだ。
「紗奈、もう飯食ったのか?」
「食べましたよ。カレーだったからすぐ食べ終わっちゃって」
カレーだったのはホント。
だけど、急いで食べたのは内緒。
先生に会いたかったから急いで食べたなんて言ったら、また笑われるに決まってるんだから。
最初のコメントを投稿しよう!