①‐3

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夕食を食べて、少し早めに寮を出る。 8時までの少しの時間だけでも先生といたいから。 昼間の喧騒が嘘のように静かな校舎の中に、私の足音と、どこかの蛇口が緩んでいるのか、水が何かに当たる音がする。 ……はっきり言って、怖い。 化学室の方は特に暗くて、私はちょっとかけ足で準備室に滑り込んだ。 「紗奈、もう飯食ったのか?」 「食べましたよ。カレーだったからすぐ食べ終わっちゃって」 カレーだったのはホント。 だけど、急いで食べたのは内緒。 先生に会いたかったから急いで食べたなんて言ったら、また笑われるに決まってるんだから。
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