①‐3

3/19
前へ
/363ページ
次へ
先生はしばらく紙の束を1枚ずつめくって、付せんを貼ったり書き込みをしたりしていた。 私はその真剣な表情に見とれてしまう。 「そんなとこ立ってないで座ったら?」 視線はこちらに向いてないけど、視界の端では私を見てくれてるみたいだ。 失礼します、と小さく言ってソファに座ると、先生は大きく伸びをした。 それから立ち上がってこっちに近付いてくる。 「ホントお前って犬みたいだな」 「え?」 「今、俺にかまってもらえると思って嬉しかっただろ?」 うっ…… また顔に出てるのね……
/363ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2267人が本棚に入れています
本棚に追加