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先生は私の横に座ると、急に寄りかかってきて、そしてそのまま…… 「ひざまくら……」 いたずらっぽく笑いながら先生は私を見上げる。 角度のせいかな。 その意地悪な笑みも今はかわいく見えてしまう。 「お疲れですか?」 「そうなんだよ。裕子が持って来たあの紙の束が厄介でさ」 「裕子先生のせいじゃないでしょ?」 私の言葉に先生はちょっと拗ねた表情をする。 「紗奈は裕子の味方するのか」 今の先生の方がよっぽど犬みたいだよ。 頭を撫でてみると、甘えたように微笑む表情に少し目眩がした。
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