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沈黙の間に誰かの足音が聞こえて、その針のような視線から解放されるとさっきの雰囲気は嘘だったみたいに跡形もなく消えた。 気のせいかな。 そう思って、それを紛らわすように話しかけてみる。 「永崎先輩はどうして天文部に……って先生に捕まったんですよね」 「ははっ、捕まったって言われればそうなのかもしれないけど、一応お互いの利害が一致しててね」 それ先生も言ってたけど、3年生が今入部するメリットってなんだろ? 私のはてな顔を少し笑ってから、永崎先輩は口を開いた。 「内申書だよ」 .
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