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先生は一度だけちらっと腕時計を見たっきり、動かずにじっとグラウンドを見つめていた。 「さ、澤田くん、電源を入れて」 大島先輩の声がして、低いモーター音が聞こえた瞬間、ガシャンと大きな音がしてグラウンドの照明が消えた。 「おっ、びっくりした」 そんな永崎先輩の声も聞こえる。 でもそれより私の方がずっと驚いている。 だって、照明が消えた瞬間、私は先生に抱きしめられていたから。 突然の暗闇で目が慣れてないから、誰も私たちのことは見えていないと思うけど…… 「せ、せんせ……」 .
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