2267人が本棚に入れています
本棚に追加
先生は一度だけちらっと腕時計を見たっきり、動かずにじっとグラウンドを見つめていた。
「さ、澤田くん、電源を入れて」
大島先輩の声がして、低いモーター音が聞こえた瞬間、ガシャンと大きな音がしてグラウンドの照明が消えた。
「おっ、びっくりした」
そんな永崎先輩の声も聞こえる。
でもそれより私の方がずっと驚いている。
だって、照明が消えた瞬間、私は先生に抱きしめられていたから。
突然の暗闇で目が慣れてないから、誰も私たちのことは見えていないと思うけど……
「せ、せんせ……」
.
最初のコメントを投稿しよう!