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ついこの間までこんなことなんてなかった。 化学の課題を集めて持って行く日は特別な日だもん。 だけど今は……。 私はすがるような目で見つめ続ける瞳から少し目をそらす。 ついていきたくないけど、先生と真由ちゃんを2人きりにしたくない。 どっちの気持ちを優先するか迷っていたけど、行かないで2人が何を話したか考えてもやもやするより、一緒に行った方がいいって判断した。 いいよ、と言う私の言葉に彼女は嬉しそうに微笑む。 それは反則的にかわいくて、なぜか少しの儚さを含んでいる気がした。
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