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「どこも痛くないか?」 「平気です」 私は痛かった。 2人の会話と距離が苦しかった。 気がつくと真由ちゃんは散らばったプリントを拾い始めていて、先生は私を見上げていた。 その目がひどく私を責めている気がするのは、これが後ろめたい気持ちだから? 近くにあったプリントを手に取り階段を下りて真由ちゃんに手渡すまで先生は私を見ていた。 「じゃあ行くか」 沈黙の均衡を破って、先生は振り返らずに歩き出す。 まだ頬を赤くしたままの彼女と2人、黙って後に続いた。
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