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「泣きそうな顔してた。すごく傷ついた顔してた」 そこまで言って先生は私に背を向ける。 「俺は先生だから生徒を守るよ。 もちろん紗奈だって守る。 先生としてだけじゃない。 紗奈のことは男としても守りたいよ。 だからこそ強くなって欲しい」 その言葉にこめられた意味を噛みしめると、悔しくて涙が出そうだった。 先生を困らせたいわけじゃないのに。 先生が悪いわけじゃないのに。 真由ちゃんが悪いわけじゃないのに。 どうして、どうして、どうして…… こんなに痛いんだろ… こんなに苦しいんだろ…
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