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準備室を出た私は、休み時間の残りを確認して屋上に向かう階段へと向かった。 屋上へのドアに鍵がかかって出られないのは知ってるけど、だからこそ階段には誰もいないだろう。 泣いてしまおうと思った。 どこへも行き場のない、この気持ちを教室へ持って帰るのは嫌だった。 階段を上ると頬に風が触れて、不思議に思いながらドアへと静かに近づいて、そっとドアを押してみる。 それは少しの抵抗があったけど、音もなく開いた。
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