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まただ。 こんな風に考えたくないのに。 頬を涙がつたって、真下に落ちようとするところを風がさらう。 「泣くくらいならやめればいいのに」 突然聞こえた声に驚いて姿を探す。 「こっちおいで」 それは少し高いところにある貯水棟の前から聞こえてくる。 「永崎先輩?」 「正解。こっちにおいでよ。梯子が裏にあるから」 何で彼がここにいるのか。 そして、私と先生の関係を知っているのか。 不安に思いながらも私は梯子に手をかけた。
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