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ドアはほんの少しだけ開いていた。 「どう?体調には変化なし?」 「大丈夫です」 「そっか」 1つは先生の声。 もう1つは…… 真由ちゃんの声だった。 私は無意識にドアへ近寄り、耳を傾ける。 ちょっとしか隙間がないせいで、会話は途切れ途切れでしか聞こえてこない。 「課題とか大丈夫か?分からなくて困ってないか?」 「大丈夫です……あ、本当はちょっとだけ困ってるかも」 ふっと先生が笑いを漏らすのが聞こえた。 「だいぶ素直になってきたな。 課題は化学と数学、あと物理くらいなら教えてやれるよ。 世界史とかはダメだぞ?」 .
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