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ゆっくりと振り返ると、そこにいたのは永崎先輩だった。 "何してるの?"と言いたげな表情をしてるけど、ここで声を出されるのは非常にマズイ。 彼の腕引っ張って実験室に戻ってドアを静かに閉めた。 「盗み聞きはよくないよ」 わかってるってば! 何でこんなタイミングで現れるんだこの人は…… 「またなんかヤなことあった?」 「別にありません」 彼は何も言わずに私の顔を見ただけだったが、何もかも見抜かれている気がした。 「そんなに嫌な思いするならやめればいいのに」 やめればいいのに…… 先生を好きなことを? そんなの絶対出来ない。
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