序章 小説家を目指す少年

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電気もついていない、暗い部屋。 そこにはいろんな紙が散らかっていた。 『魔道書』と謳ったノートにはアラビア文字だか梵字だかなんだかわからないが、つらづらと書かれていた。 さらに紙には円と四角で組み立てられたサークルがいっぱい書かれていた。 ――そのいろんな書類がたくさんある真ん中に、彼はいた。 見た感じ清潔な白いシャツ、黒い紐のズボン、黒縁のメガネをかけ、真ん中にある机に向かって何かを書いている。 書いては破り捨て、書いては破り捨て、それのくりかえし。 「……こんなんで、いいのができるわけない」 少年は、ポツリとつぶやいた。
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