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【翔視点】
家を出発して2日、アメリカの『世界発明の会』に着いた。
さて、世界一の頭脳を持った、『ドクター・ルート』の居る最上階に行くか。
―ルートの部屋―
「これが、今回の発明です。」
そう言って、俺は装置を出した。
「その発明を私の目の前で証明してくれ。」
言われたので、俺は10kgの鉛と光源装置を取りだした。
「今回の発明は全ての物質を、分子や粒子から重くするものです。
光の粒子も重くすることができます。更に、その物質の速さも損ないません。今からそれを証明します」
俺は、装置を起動したあとに光を鉛に照射した。
その瞬間、鉛が見えなくなり、クッションしておいた壁に当たった。
照射した瞬間に壁から音がなったという感じだ。
俺はそれを確認させたあと、機械の電源を切った。
「……なるほど、悔しいが、私の発明全てに勝っているな。」
え?
「私は今までいろいろな開発に携わってきたが、それでもこの発明は私の全ての発明を凌駕している。」
いや、この発明の凄いところはまだまだこれからなんだけど…
「これほどの発明をして何を求める?」
「私の生活の自由ですね。すいません。というか実はまだ発明があるんですが、それを見ていただいてもよろしいですか?」
「そうか、見せてみろ。」
「では今度はこのネジ巻き式の簡易車を使いますね。」
俺は、車の玩具を床に着けたまま後ろに引き、小さいライトで後ろから照らした。
「ドクター、その装置の電源をつけてください。」
「わかった。ではせーのでつけるぞ。 せーの」
ドクターが押すか押さぬかぐらいで車を放した。直後、車は見えなくなった。
「まさか…」
「はい、タイムスリップしました。」
「君は凄いことをするな。どうだ、この発明を世界に広め、役にたててはくれないだろうか」
「いえ、それはできません。タイムスリップした者が歴史を変えてしまう可能性があるので、特許を取りたいんですが。」
「うむ。確かにこの発明はそのような可能性を生み出す危険な発明だな。特許をとらせよう。
いつもなら有料だが、こんな素晴らしい発明は、無料で特許をとらせても構わん。それから、これは賞金だ。」
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