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ドクターはアタッシュケースを出した。
「そのなかには世界通貨三億Kが入っている。持って帰れ。」
「ありがとうございます。それでは失礼します」
俺はそう言って部屋を出て、数日で家に帰った。
【翼視点】
「ただいま」
父さんがアタッシュケースを持って嬉しそうな顔をして帰ってきた。帰ってくんなし。
「…………お帰り。」
「見ろ翼!!これは賞金三億Kだ。Kとは世界中で使える通貨だ。
これで働かずに暮らしていけるぞ!」
「(´・ω・`)ハァ」
「そうか、なら行ってみるか!未来と過去、どっ
ちにいく?」
……この馬鹿にはフィルターでもついてるのか?
「どこでm」
「そういうと思ったぜ!」
僕が話すのを大声で遮ったあと、機械をいじりだした。
「よし、装置を起動するぞ。せーの」
父さんがそう言い終わった瞬間、何も見えなくなった。そして別の景色が表れたが…
「なんだこれは…」
周囲に広がるのは何もないと言える荒野だった。サバンナよりも更に枯れている感じだ。
「これが10年後の未来の姿?……とりあえずもうちょっと移動しよう」
父さん曰く、ここは未来らしい。
…生きてていいことってあるのかな?
それから数分後、井戸がある小さな民家を発見した。
……なんで井戸?
「あの家の人にちょっと訊いてみよう。」
馬鹿親父は井戸など目に付かないかのようにそう言った。
僕らは(僕は渋渋)家を尋ね、家の中に居た若い男性にこの状況になった理由を父が訊いた。
「すいません。辺りがこのような惨劇になった理由を教えてくれますか?」
「それは、ついこの前のことだ。竜巻が発生した。辺りの建物や木などはすべて壊れ、沢山の被害をもたらした。しかしそれだけでは終らなかった。
すぐあとに大震災が発生したのだ。それにより、ほとんどの物資が無くなり、何も復興するものが無くなった。」
「そうだったんですか。話、ありがとうございます。それでは失礼します」
「よし、戻るぞ」
僕らは現代に戻った。
あの馬鹿の頭にデリカシーなんて言葉がないのは知っていたがあそこまでひどいなんてきいてない。
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