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「……はい」
もう何を言っても無駄だ。
そう思ってアタシは断るのをやめた。
少し歩いて先輩は止まった。
「ここだっ」
「ここが…」
連れてこられたのは空手部部室と書かれたドアの前だった。
「じゃ、開けるな」
先輩はそう言うとドアノブに手をかけてドアを開けた。
「おっす!マネージャー連れて来たぞー!」
もう、マネージャーになってるし…。
「まじっ?この子?」
いかにもチャラそうな男がアタシを指さす。
「そぅっ!この子!可愛いだろ?」
「お~、ホント可愛い。一年?」
「そうだっ」
「一年に見えねーっ!大人っぽくね?」
失礼な奴。
老けてるって言いたいわけ?
「初めまして。一年の吉田 あずさです」
軽く自己紹介をして、頭を下げた。
「俺は二年、九条 和也(くじょう かずま)♪ちなみに空手部のエース」
チャラそうな男が言った。
この人も空手部…。
意外だな。
「あっ!他のマネ、紹介しないとな」
東先輩がアタシの手を引っ張り部室を出て、道場っぽい所に連れて来てくれた。
中に入ると、東先輩が二人の可愛らしい女の人に手招きする。
「千晴、真央こっち来て」
二人の先輩は、
「な~に?」
と言いながらこっちに近寄ってくる。
「新しいマネだ。紹介する。あずさだ。いろいろ仕事、教えてやって」
「吉田 あずさです!よろしくお願いします」
「あずさちゃん?よろしくね。アタシは松田 千晴(まつだ ちはる)です!」
「あずさだから…あずちゃんだね!
あずちゃん、よろしく。上原 真央(うえはら まお)デス」
千晴先輩は大人っぽくて綺麗な人。
真央先輩は可愛くて年上だと思えない人。
どっちもいい人そう…。
良かった。
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