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「じゃ、後はよろしくな。千晴、真央」
え…っ?後はよろしくって…一緒にいてくれないんだ…。
無理矢理連れてきたくせに、無責任な先輩だ。
「おっけー、まかせて♪」
「はぁい」
千晴先輩と真央先輩は明るく返事した。
「じゃーな、あずさ。また後で」
「…どこ行くんですか?」
アタシを置いて…。
「なに?寂しいの~?俺がいなくて。ちょっと試合行くだけだから、大丈夫。すぐ帰ってくるし、千晴も真央もいい先輩だから」
「なっ…、寂しくなんかない…ですよ…」
「そぉ?なら、良かった。頑張ってな」
東先輩は、アタシの頭に手をポンと置いた。
「先輩も…頑張って」
自然に言葉が出た。
「おう!ありがとな、絶対勝つ」
先輩は手を振りながら道場を出ていった。
千晴先輩も真央先輩も東先輩に手を振っていた。
東先輩の姿が完全に見えなくなると、千晴先輩と真央先輩はアタシの方に向き直った。
「あずさチャン…、仕事教えるから部室に行こ?」
千晴先輩がアタシの手を引っ張りながら言った。
「はい!」
マネになったからには頑張ろう…。
「ねぇねぇ、あずチャン」
部室に着くと真央先輩が甘い声で話しかけてくる。
「なんですか?」
「あずチャンてさ、龍くん狙いでマネになったの?」
「はっ?」
思わず大きな声を出してしまった。
「当たり?」
「違います!無理矢理ならされただけだし…」
「そぅなんだ?てか、無理矢理って?マネ希望してたんじゃないの?」
アタシは、さっきの事を真央先輩に話した。
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