第2章 「不思議な夢の少女に出会った」

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自宅に戻った天馬は残っていた駄菓子を食べながら学校の宿題をやり始めた。今日は天馬の苦手な算数の宿題だったが、悪戦苦闘しながらも何とかめげずに最後までやり遂げた。まるでそれを待っていたかのように夕飯に呼ばれ、ダイニングに降りていく。 天馬は一人っ子で、母親も毎日我が子のために栄養バランスを考えた献立メニューを振る舞う。この日はミートソースのパスタだ。天馬は駄菓子を食べていたにも関わらず、ペろりと大人2人前を食べてしまった。そのあとにデザートとしてプリンまでしっかり食べると、食器を片付けてからリビングにあるテレビのスイッチを入れて、バラエティー番組を見ながらケラケラ笑っている。 テレビを見ながら休憩してから、天馬はお風呂場に移動して入浴の準備を始めた。午後にやった体育の授業で思いの外汗をかいてしまい、若干においが気になっていた。シャワーで軽く身体を流し、シャンプーを手に取って頭をゴシゴシ洗ってさっぱりしたのか、湯舟に浸かっている天馬の表情も自然と和らいでいた。 パジャマに着替え自分の部屋に戻った天馬。パソコンの電源を入れると、すでに黒之介と勇真からボイスチャットのお誘いが来ていた。天馬はヘッドセットを装着し、慣れた手つきで勇真たちのいるチャット部屋にログインした。
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