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5分もしないうちに天馬と勇真が黒之介の分の給食を持って戻ってきた。
「黒之介、給食持って来てやったぞ」
「ありがとう、天馬くん」
「んじゃ、早速食べるか」
「いただきま~す!!」
天馬は大好物の唐揚げカレーを嬉しそうに頬張り、それに負けじと勇真もカレーを口に運び、黒之介はそんな二人を見ながらカレーとポテトサラダを少しずつ食べ始めた。この時ばかりは仲良しな三人も無口になる。特に天馬と勇真に至ってはカレーのおかわりが懸かっているため、呑気におしゃべりしながら食べている暇など無いのだ。・・・そうこうしているうちに天馬がカレーとポテトサラダをペろりと食べ終えて、おかわりを求めて再び配膳コーナーへダッシュしていった。
「なぁ黒之介、あいつ食うの早くね? マジでカレー好きなんだな」
「そうだね~。天馬くん、カレーだといつも早く食べちゃうもんね。僕は少食だから、あれだけ早く食べられるのってうらやましいなぁ」
「まあ食べるスピードもみんな違うんだし、黒之介に合ったペースで食べればいんじゃね? 慌てて食べると天馬みたいになっちまうぞ?」
「あはは・・・。勇真くんもおかわりするんでしょ?」
「おう。っと、俺も早くおかわりしてくるか!!」
「うん、いってらっしゃい」
先に行った天馬を追うようにカレーのおかわりを求めて配膳コーナーへダッシュしていく勇真を、黒之介はポテトサラダを食べながら見送った。
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