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俺の名前は緑川司。大阪にある大学で法医学を勉強している。
今、俺はとある島を目指していた。その島には呪われた人形があると言われている。
何故そのようなものがある場所にわざわざ行くかというと、俺が所属しているオカルト研究会、略してオカ研の活動の一環として行くのだ。
ちなみに今、俺はバスの中で2時間半揺られているわけだ。
そんなことを思っているとフェリー乗り場についた。
俺は荷物を持ちバスを降りる。(勿論金は払った。)
俺は当たりを見渡してみる。すると、乗り場の近くに同じオカ研のメンバーが3人待っていた。
俺は急いでそこに向かう。すると、こちらに気がついたのか1人が手を降った。
司「わりぃ。遅れちまって…。」
楓「ホントですよ!」
眼鏡をかけていて、髪を後ろで結んでるこいつはオカ研の部長である野々宮楓である。
宏人「まぁまぁ、落ち着いてくださいよ。」
ニット帽をかぶり、首からカメラを提げているのが本能寺宏人である。
睦月「そうだよ、楽しみなのはわかるけど…ねぇ?」
お嬢様風な雰囲気溢れる口調とウェーブがかかった髪が特徴的なのが宇都宮睦月。今回はこの睦月の提案で行くことになったのだ。
司「だからこうして謝ってるだろ?」
楓「まったく…次は絶対に遅れないでくださいよ!」
司「へぃへぃ、じゃ行こうぜ。」
そう言って行こうとすると睦月に止められた。
睦月「待って!」
司「なんだよ…もしかして言い出しっぺの癖に怖くなって帰りたくなったのか~?」
少し睦月をおちょくって訊いてみる。
睦月「そうじゃなくてね……。」
司「そうじゃなくて?」
宏人「睦月のご両親を待ってるんだよ。」
ごもっている睦月の代わりに宏人が答える。
司「ご両親?なんで?」
睦月「実は…今から行く島はうちの所有地でして…あっ、その前に祖父が亡くなった辺りから話したほうがよかったかしら…兎に角、祖父の遺言には財産は全部あの島のどこかに隠してある、とあって…。」
話がぐちゃぐちゃなのはご愛嬌。
司「家族総出で行かなければならないが、怖いから一緒に行ってくれ…と、そんな感じか?」
してやったりな顔で言ってやる。
睦月「怖くなんてないです!」
頬を膨らませ、今にも泣きそうな目になる睦月。
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