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司「それより、何時になったらご両親さんは来るんだ?」
時計を探して辺りを見渡す。ちょうど携帯の充電が切れたのだ。
宏人「11時20分だよ。」
宏人が腕時計を見て答える。もう、お昼時だ。
すると、タクシーが止まり中からスーツでビシッと決めた2人の男女が下りてきた。1人は如何にもどこかの組の人はみたいな雰囲気を持つ人で、もう1人は女社長と言った風貌だった。
睦月「お父様!お母様!」
睦月が下りてきた2人に手を振る。すると2人は此方に歩いてくる。
睦月「お久しぶりですお父様、お母様。」
師走「久しぶりだなぁ!大きくなっちゃって!」
卯月「ほんとねぇ…。」
師走「ところで、そいつらは?」
睦月「先日話したオカ研のメンバーです。」
楓「野々宮楓と言います。」
宏人「本能寺宏人と言います。よろしくお願いします。」
司「緑川司です。よろしくお願いします。」
一通り此方が挨拶をすると今度は睦月が紹介をし始めた。
睦月「私の父の宇都宮師走です。父は外資系企業の社長をしています。」
師走「よろしく。」
組の人ではなかった。すげぇ失礼だな俺。
睦月「母の宇都宮卯月です。母は大手化粧品メーカーの社長をしてます。」
卯月「よろしくね。」
社長ばっかだな。社長令嬢をからかいまくったけど…大丈夫だよな?
すると、卯月さんが俺の方に寄ってきた。卯月さんは顔をまじまじと見た後にっこり笑った。
卯月「あなたが司君だったわね?」
司「あ、はい…。」
卯月「そう…睦月をよろしくね?」
司「は、はぁ…。」
なにをよろしくなんだろう…。
師走「そろそろ行こうか。」
そう言うと宇都宮親子はフェリー乗り場とは違う方向に向かった。
楓「あれ…フェリー乗り場はあっちじゃあ…。」
睦月「うちが所有するクルーザーで行きますわ。」
睦月が手招きをする。
楓「…あぁ…そう…。」
楓は睦月の後をついて行く。俺と宏人も少し遅れてついて行く。
司「なぁ宏人。」
宏人の方を向かずに訊く。
宏人「なんだい?」
宏人も俺を見ない。
司「睦月のやつ…マジでお嬢様だったんだな。」
宏人「僕も初めて知ったよ…。」
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